初めて板倉鉱司さんがプリズムで個展を開いてくださったとき、「僕が作っている作品は全部リルケの詩が基になっている」とおっしゃったとき、私は何を言っているのかさっぱりわかりませんでした。
鉱さんという人を知れば知るほど底の深さに驚かされました。
鉱さんはクリスチャンです。彼を知った頃「神様なんて本当にいるのかどうかわからない。」とおっしゃっていました。世間でよく言うその言葉とはちょっと違うなと当時も思っていましたが、神学や哲学や文学を深く読みといていた鉱さんは自分の哲学の中で答えを見つけようとしていての言葉だったのです。
そんな中でのリルケだったのです。「リルケは森が全てを教えてくれるって書いている」と。それを形にしたのが板倉作品だと言うのです。
先日前々回の個展のときに取材してくださった新聞記者のKさんががこの展覧会を観に来てくださいました。4年前取材された後、鉱さんは「取材なんて緊張するしやだなぁと思っていたけど僕の事とってもよくわかってくださってとても嬉しかった。」とおっしゃいました。今回Kさんが大学でドイツ哲学を勉強していたということを知りました。そして彼は「板倉作品はドイツ哲学を知る者にとってはとてもよくわかる作品ですよ。ドイツ哲学はとても詩的なんです。」とも教えてくださいました。
もう少し知っておきたいな。リルケの詩この期間中3回目に挑戦しています。