乱舞のからくりたち―小山恵展

「からくり人形」に出会ってしまった小山恵さん。
からくり人形の動きから目を離せなくなってしましました。

愛知県にはからくり人形を持っている地域がたくさんあります。お祭りの山車にからくり人形があってお祭りを盛り上げているのです。恵さんは各地のお祭りをたくさん見て回っています。人形たちの華麗に動く姿は素晴らしい。
自分の絵の中でも舞わせたい。
「乱舞のからくりたち」はそんな思いの中から生まれた作品です。

お祭りで見て写真に撮るだけでは絵にするのは難しいので、自身の手元にも7体ほど置いているそうです。昨日紹介した「太鼓を叩くからくり人形」は7体目の人形だそうです。お祭りで見たのと同じ動きはしないし、同じ顔ではないけれど手元の人形を矯めつ眇めつし、そして自分の創作も含めて絵にしていくのです。

この絵の3体の人形は全部同じのはずですが、手持ちの人形で角度を変えてみたりもするので同じ顔にはなっていません。それが小山恵のリアリティ。

人にできるだけ近づかせたいと生まれたからくり人形。人間のように動く人形。完璧な動き。だけど人間と同じではない。人間はいつも完璧ではいられないのだから、ある意味からくり人形は人間を越えてしまった。越えてしまったがために人間から遠ざかった。それでも恵さんの目はからくり人形から離れないのはなぜだろうか。

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