平塚啓さんの今回の個展のメインは「九相図」。その中でも最も力も時間も注いだのが「九相図向日葵」。「九相図向日葵」は大作でもありますが1点。「九相図」も物量としては全体の5分の1くらいだろうか。
今日の写真に「向日葵」以外の「九相図」のほとんどがあります。
メインテーマにしては少々物量は少ない。ただこの「九相図」シリーズには「向日葵」だけで510日という膨大な時間がかかっている。しかもこのテーマは仏教の死生観を含めて無常・不浄など重くて深い思想を考えながらの制作になりますから、精神的にきつい時間にもなります。
「白椿」「欅の葉」「銀杏の葉」「トウカエデの葉」が「向日葵」以外の九相図です。
今回の九相図はいったんここで終わりにして、明日からは他のシリーズを紹介します。九相図のシリーズがこれからも続くのかどうかは今の段階ではわかりません。5点の「九相図」。物量だけでは測れない作家の思いの深さがあることだけはお伝えしたいと思います。