技術を生かす―道の物語

ながおたくまさんはベタ塗り(決めた範囲内を一色で隙間なく塗る潰す技法)がうまい。本当にムラがないんです。

35年のプリズム運営期間で3本の指に入るうまさです。
これってすごいことなんですが、パソコンが普及しこの技術はあっというまにパソコンが代わりにやってくれるようになったので多くのデザイン業界人にとってそれほど必要な技術ではなくなったのは事実です。

ながおさんがあまりにこの技術がすごいので多くのお客様から「これはパソコンで描いたのですよね」と言われる始末です。それくらいうまい。

確かに技術が優れていてもそれを使って何を表現したいかが重要でそれに重みがなかったら「うまいね」で終わってしまうものです。
表現したい何かがあってそれに優れた技術が加わればそこには大きな説得力が生まれる。逆に言えば表現したい何かに技術が伴わなければ説得力が損なわれる。

ながおさんは全部手描きで原稿を制作します。パソコンで描いてもいいのですが、手描きにこだわる。そこにこの絵本の温かみが生まれるのです。それがながおたくまの説得力。

さっき書いたようにながおたくまパソコン疑惑がありました。それを払拭すべく今回の絵本では完璧なベタ塗りの上に色鉛筆で少し描き加え手描き感を出すように工夫しました。この絵で言うと水面の波や岸辺の草の部分です。
それだってベタ塗りが完璧だからこそ効果的なんです。

ながおたくまは進化する。これからもずっとずっと進化し続けます。

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