直方体から始まったー建部弥希全面絵画展

この展覧会に展示されている作品は大きい物小さい物はありますが、すべて直方体です。つまり長方形でなりたっています。

そもそもの始まりは前にも書いたように、油絵を描くのにキャンバスを張った横や上下の面も描いていたこと。それならばその続きの正面にたいして裏に当たる部分も描いてあったっていい。描いてるほうが自然。じゃあ描こう。

キャンバスには枠の厚みがあるのだから、面に対して厚みの割合が少ないとしてもそれは直方体。平面作品といったって厳密に完全なる2次元は本当は無い。じゃあいっそのこと無かったことにせずに「ある」にしてみたところが建部弥希さんのオリジナリティ。

ちなみに木で作った立方体にキャンバスが貼ってある。このキャンバスだということも「全面絵画」では建部さんとしてはこだわったポイントです。

今回は長方形で構成された立体になったのだけど、今後もこの形なのかどうかはわからない。平面は長方形だけではないのだから。でも長方形にこだわらざるを得ない何かが建部さんの中に育ってしまうかもしれない。

スタートしたばかりの「全面絵画」
どう掘り下げていくのか。変わっていくのか。それとも消滅していくのか。
人は変わっていく。同じく、作品も変わっていくのです。

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