子供の頃、誰もが一度は影に触ってみたいと思ったはずです。
手と手は触れることができても、あとのところはやっぱり触れることができない。
触れたくても触れることができないものがあると初めて知るのはもしかしたら自分の影なのかもしれません。
「影」
ただの自然現象としてとらえるだけでなく、心にせまったとらえかたもよくされる。この連作は少女とその影が触れられない関係であったものが仲良くなり、心の中も見えるようになる。最後影が林檎を食べてしまうのだけど、林檎は少女。食べられることは残酷なことではなく、影と少女は実は1つだということがわかる成長の物語。
影を不穏とするか自身と同体と考えるか。奥の深いシリーズだ。