馬場陽子さんが選ぶ額もしばしば話題に上がる。
このデコラティブな額を使いこなす難しさを言うのだ。
多くの作家は絵が額の負けることを嫌がる。
それはごく当たり前のこと。だって額は絵を引き立てるために存在するものなのだから。
しかし馬場さんの絵はそんなにこってりした絵ではない。色を塗り重ねて重厚感を醸すタイプではなくむしろあっさりとした彩色となっている。
それなのになぜか額との相性はとてもいい。
最初から馬場さんは額に勝つか負けるかなんて考えていないのだと思う。
だから勝つことも負けることもない。そんなこととは別の次元で額を選んでいるのだと思う。
ピンクのタコがいたらかわいいのと同じように、この額はこの絵に似合うと決めたに違いない。好きな服がだいたいその人に似合うように作家が好きな額はその絵に似合うのだ。
こんなことを書くと馬場さんってふんわりしていてあんまり深く考えない人と認識する人がいるかもしれませんが、それは違います。とても思慮深い人です。ただ考えているポイントが多くの人とは違っている。とびきり個性的な思考の人なんです。日常生活が極めて常識的なのに創作に関しては「ぶっ飛んでいる」タイプです。
素敵!です。