馬場陽子さんの感性は独特だ。
「馬と花と人魚。」というタイトルからしてなぜ馬と花と人魚なのかと首をかしげる。まあどれも主役級の存在だから描きたいとなればそれはいい。絵を観るとタツノオトシゴがいる。これはseahorseだから馬がテーマの展覧会だから範疇かな。さらにタコ。さらっと画面を泳いでいる。言われなければ気が付かないくらいの存在で描かれている。
少し頭の中が混乱するのだけど、しばらく平常心を取り戻して見てみるとそれは当たり前の存在になっている。「なぜ?」にこだわってはいけない。それが馬場陽子なのだから。
馬場さんは描きたいものを当たり前のものとして描いているのだから、それでいいのだ。いちいち常識でものを見ようとすることを一蹴されるようだ。でも馬場さんはそんな意地悪ではない。自分が描きたいことに忠実なだけで他人の物の見方なんてきっとそれほど興味はない。
ここにタコが泳いでいたらかわいいだろうな。タコはピンクだったら洋服も可愛くなるしさ。デザイナー馬場陽子がイラストレーター馬場陽子にそっとつぶやいたに違いない。