朱に金銀と細い美しい線で構成されたビジュアルは比較的最近の仕事です作品だけでなくデザインの仕事としても見られるシリーズです。「新之助」というお米のパッケージもこの流れの1つ。
洗練された和モダンなビジュアルは谷口さんならではの美しさがあります。
緊張感のある色と線のバランスはほれぼれします。
それは谷口さんが描く文字にもあります。「描く」と書いたのは文字なのに「書く」ではない絵を描くようなニュアンスが彼の文字にあるからです。
このシリーズにある文字で描かれた言葉は絵のような言葉。
ここから先に谷口さんは思い描いていた世界はどんなだったのでしょうか。
随分前に「書ではない文字の入った作品を描きたい」というようなことをおっしゃっていましたが、もう少し描き進めたかったのではないかなぁと今回このシリーズを観て思います。これはこれで美しく素晴らしいけれど、もっともっと先に行きたかったはずです。