出会いー谷口広樹追悼展

この作品はプリズムで初めて谷口広樹さんが個展を開いてくださったときに所蔵させていただいたものです。作品の裏にはその時のDMが貼ってありました。1991年7月16日(火)-21日(日)という日付があります。31年前のことだったとわかります。

東京青山のHBギャラリーの唐仁原教久さんからのご紹介でした。
谷口さん34歳の時です。まだ若かった谷口さんですが、作品を観ても世界観が1つ確立されているのがわかります。今見てもゆるぎない何かがあります。
当時から彼の作品の大ファンではありましたが、物静かで少し難しそうな印象の谷口さんとこんなに長くお付き合いいただくことになるなんて考えもしなかったことでした。

これは所蔵作品の中でも一番大きな絵で、B全サイズです。
なかなか出すことができず、公開するのは当時の個展以来です。

そういえば15年ほど前だったでしょうか、ある年のGWに1日だけこの1点を飾るという非公開イベントをしました。谷口さんにもその旨を伝えると、その日東京から駆けつけてくれたのです。参加した皆さんが大喜びでした。「この1点のためにみなさんがお集まりくださるのに僕が来ないわけにはいきません」とおっしゃっいました。この優しさというか謙虚さがまた谷口さんの魅力なんです。だから一昨年の個展に在廊できなかったことを本当に残念がっていたのです。「名古屋に行って万が一自分がコロナウイルスを持っていてうつしていまったら後悔するし、せっかくの個展なのに行かないのも失礼だし」と苦しい選択をされたのです。

追悼展ですから会場でご本人とお会いすることは叶いませんが、きっとプリズムに谷口さんは詰めていらっしゃいます。是非会いに来てください。

昨日遺影の前で手を合わせてくださった方の姿がとても印象的でした。
ありがとうございました。

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