「はまだのりこさんが描く人物が着ている服って私が作る服とテイストが近くて、時々はまだ作品の中の服をスケッチしているんです」と
HUMMING BIRD DESIGN安達真由子さんがふと口にした一言からこの展覧会は始まりました。
絵の中の服が実物として作られていたら面白いだろうな。
「せっかく展覧会にするなら溝渕美穂さんのブローチを服に着けてみたいな」という一言もこの展覧会に盛り込みました。
ただし、HUMMING BIRD DESIGN(洋服)・はまだのりこ(イラストレーション)・溝渕美穂(ブローチ)の三人は作家なのだからそれぞれの創造性は生かしたい。絵のよう作った服やブローチも面白いけれど、それぞれの作品へのリスペクトを持って自分の世界観で作品を作ってもらったらもっと面白いのではないかとプリズムとしてのコンセプトを提示しました。
それぞれの作品を写真で見合いながら、「そうきたか、それならこうしてみよう」という具合に写真のやり取りだけで制作はすすめることにしたのです。
実物と絵の違いはそれぞれの解釈の違いでもあり、それは作家としての個性なのだと思います。その違いに面白さを見つけていただければ幸いです。