翔ぶことを考えるカマキリー板倉鉱司鉄の作品展

子供が紙をちぎって糊で張り付けて立体を作ろうとするように自分も作品を作ると板倉鉱司さんは言います。ただ違うのは紙ではなく鉄で糊ではなく溶接なだけだとも言います。

確かに発想は同じなのかもしれない。
なんとなく足のような形、なんとなく頭のような形、なんとなく・・・を、プラズマ切断機で切る。正確な形にこの大きさのものを切るのはこの切断機ではできないのだそうです。同じように正確な位置に溶接するのも難しい。

そういう事情でこういう作品が仕上がっていくのだけど、自分の心にぴったりあわないものは作品として日の目を見ないことになるのだそうです。そこには作家としての厳しい目がある。案外没になることも多いらしい。

自分の気持ちにしっくりくるという感性。
この感性こそ作家として一番大切にしなければならないのだろう。
厳しい目はできあがったモノを客観的に見るということなのだけど、それはきっと自分自身をどれだけ厳しく見つめるかということなのかと思う。

作家とはなかなかきつい稼業だ。しかし、会心の作を見る目はまた何とも言えない喜びに満ちている。そんな姿を見るとちょっとうらやましくなる。

カテゴリーNews