画面全部がめでたい物ばかりの「宝船」。金銀財宝がザクザク。
この「宝船」は宝ずくしと言われるものを満載にしています。
金箔を和紙の裏に張り込んで作った下地は微かに内側から光を放ち、抑えた華やかさが上品な絵に仕上がっている。
物欲を満たすことが幸せのすべてではないが、できれば豊かな生活を手に入れたいというのが人の持つ憧れです。
ささやかな憧れを絵を飾って願うという謙虚さは素敵だなと思います。
明日この展覧会は最終日を迎えます。
疫病・戦・天災に心が沈みがちな毎日ですが、絵を観ることで少しでも気持ちが明るくなれればいい。それが水野加奈子さんの絵を描く原動力だったことが本当に嬉しい。あと1日の会期ですが観に来ていただければ幸いです。