冬の錦帯橋ー佐々木悟郎イラストレーション展

プロのイラストレーターである佐々木悟郎さんにはいろんなオファーがきます。
そのお題が描きたいとか描きたくないとかではなく、相手が悟郎さんがベストだと判断したからのオファーということになります。これが描きたいって思うことがあまり無いのだと言います。

雪の錦帯橋。
「わ!めんどくさそう!」と一瞬思うのだけど、どうデフォルメーションしていこうか、色をどう乗せていったらリアリティが保てるかなど考えて・・・、いざ描き始めるとそれはそれは楽しい時間になるのだそうです。

何を描いていても、「描く」ことが楽しい。
描くことが大好きなのだ。何だって描きたいというのが正しいのかもしれません。イラストレーター、天職なんですね。

Noodleー佐々木悟郎イラストレーション展

「最近、浮世絵の影響を凄く受けています」
先日のギャラリートークで一番びっくりした言葉です。

この絵と「浮世絵」とどう繋がるのだろうか・・・。

「絵師彫師刷師と分業制の制作スタイルの浮世絵はできるだけシンプルな表現にしていかなければならなかった。その方法を自分の絵に応用していったのです。例えばこの絵でいうとネギの部分。緑だけだって本当は凄く複雑なんですが、明暗を3段階くらいに分けて彩色しています。」色1つとってもどうやって簡略化できるかを考えるのだそうです。
なるほどそういう観点で「浮世絵」と繋がるのか。

特に広重の面白さに今は夢中だとか。
こんな表現でこんなにも豊かに見えるのかと驚くことばかりだそうです。

 

 

 

L.A.Story-佐々木悟郎イラストレーション展

東京でのスケジュールを終えて、本日より佐々木悟郎さんは個展終了まで名古屋にいらっしゃいます。

明日火曜日はギャラリーが休廊日ですが、毎日午後2時頃から在廊されます。

それぞれの作品についてもどんなお話でもしていただけますので、是非ギャラリーに会いに来てください。

ギャラリートークのお知らせー佐々木悟郎イラストレーション展

明日のギャラリートークは予定通り開催させていただきます。

午後6時からです。

悟郎さんの絵に対する思いや制作の秘話などをお話しくださることと思います。質問の時間も取りますので是非お出かけください。(入場無料・予約不要)

今まで何回も書いていますが、大事なことなのでもう一度書きます。リスクを下げるためにマスクの着用をお願いいたします。みなさんにお使いいただく用意をしたかったのですがどうしても手に入れることができませんでした。ご持参いただけますようお願い申し上げます。

大勢が集まることに不安を感じる方もいらっしゃることと思います。
佐々木悟郎さんは明日以降の営業日(火曜休廊)午後2時以降在廊予定です。(水曜日は午後5時まで)在廊日にいらしてください。
こんなお知らせをしなければならないことをとても残念に思います。

Zaru Sobaー佐々木悟郎イラストレーション展

食べ物の絵もファンの多いジャンルの1つです。

お仕事の依頼も多く、昨年は毎日新聞に連載された「いただきます」が1冊の書籍として出版されたほどです。

食べ物の絵。
写真の方がより伝わり易いのに、敢えて「挿絵」を依頼されるのは何故か?
「読む」という行為は読み手の想像が必ず入る。知らず知らずに想像の世界にいることが楽しい。事実を完璧に伝える写真より描き手の想像が入る「挿絵」がより好まれるのかもしれません。

悟郎さんの目を通して描かれた「Zaru Soba」は私の目ともあなたの目とも違うフィルターを通っている。

悟郎さんは今まで何冊もの本を出版していて文筆家としても知られていますが「いただきます」は毎日新聞の記者さんの執筆です。

Istanbul-佐々木悟郎イラストレーション展

佐々木悟郎さんは百戦錬磨のイラストレーターですから基本的には依頼があればどんなテーマも絵にしてしまいますが、オーダーをする側も悟郎さんの絵がその仕事には悟郎さんが最も相応しいという判断のもと発注があるわけです。

風景だったり静物だったり食べ物だったりの基本的なジャンルはできてくるようです。

今回の個展でも風景画はかなりたくさんあります。
国の内外を問わずあらゆる風景があります。

どこにいてもモスクが見えるイスタンブールの街は異国情緒を感じる。
「行ってみたいなぁ」と思う人。「懐かしいな」と思う人。中には「大っ嫌いだ」と思う人もいるかもしれない。
いろんな人の気持ちも飲み込んでその風景は悟郎さんの手で少しだけ暖かさを持ってここにある。

Goki+あるもにわ&Artists2020Springー最終日

「Goki+あるもにわ&Artists2020Spring」は本日最終日です。
Gokiの構築的なデザイン、百瀬みち代さんの魂のデザイン。
どちらもお楽しみいただけたことと思います。
Gokiはこれからも続きますが、百瀬さんの「あるもにわ」の秋冬物は今年の8.9月で一旦終了となります。

次週は3月19日(木)から「佐々木悟郎イラストレーション展」です。
プリズムは予定の変更はありません。3月23日(月)のギャラリートークも開催いたします。ただし参加の方はマスクをご持参の上着用をお願いいたします。
佐々木悟郎さんは3月23日のトーク以外では25日から最終日の29日まで午後2時以降在廊の予定です。大勢の集まりに不安のある方は在廊日のお出かけをおすすめいたします。確実にお会いになりたい方は事前にお知らせください(052-953-1839)

カラータイツーGoki+あるもにわ&Artists2020Spring

ごめんなさい、こんな美しくない写真を投稿してしまって・・・。

ショックだったんです。
お気に入りのカラータイツに穴があいてしまったんです。

私かなりの寒がり。
春の初めが案外つらい。
春らしいファッションでいたいのに、まだまだ寒いこの季節。寒さ対策はしておきたい。

こんな時の強い味方はカラータイツ。
・・・なのですが、案外春に合うカラータイツって少ない。
たまにあっても、パステルカラーの可愛い色。
大人に似合う色は本当に少ないのです。

実際にはもう少し鮮やかな、それでもちょっとくすんだブルーグレイのこのタイツは自分の持っている服に合わせ易かった。
大事に使っていたのに、とうとうだめになってしまいました。

カラータイツは寒さ対策の切り札ではあるけれど、色のバランスが難しいので慎重に選んでほしい。買ってはみたものの身につけてみたら色味がちょっと違っていたなんていうことも多い厄介なアイテムでもあります。

今日からまたお助けカラータイツを求める旅が始まります。

行くところーGoki+あるもにわ&Artists2020Spring

百瀬みち代さんが古布で洋服を発表し始めて頃の作品が1点残っていました。

百瀬さんにしては古布感が残っているなと思います。
彼女の最も大きな特徴は「着物の生地で作りました」という感じがあまりなく、「そういえばこの素材は古布なのね」というさり気なさ。

そのために何度も縫い直したり・・・時には全然違うアイテムになっていることさえあったとか。

初期の作品を改めて見ると、ひた向きさがあるようで愛おしいのだそうです。

ある布をできるだけ余すところ無く使ってあげたいという布への愛。
そのうちどんどんその気持ちが嵩じていつしか超絶技巧の世界に入っていきました。それはそれは美しい布の使い方でした。

最後に行き着いた感性は初期とは少し違うけど、大切な時間だったはず。
かけがえの無い時間が「目と手」を傷めることにもなってしまいましたが、それは今も宝物の時間です。

そして今、こうやって培われた感性は服作りではなく日々の生活の中に生かされています。服作りを止めた頃同時にブログもやめてしまったそうですが、最近再開されました。ご興味のある方はhttp://harmoniewa.tea-nifty.com/seventyfive/から見てください。百瀬さんは新しいステージに進化しています。

読書、俳句、ブログが目下の楽しい時間だそうです。

 

3月11日ーGoki+あるもにわ&Artists2020Spring

今年も3月11日がやってきました。

毎年来るこの日、特別な1日。
今年は一際感慨深い。

あの日以来日本全土を襲った閉塞感。
原因は全く違うけれど、今年はCOVID-19が似たような閉塞感を生み出しています。

あの日も今日のようにプリズムはGokiの展覧会を開催していました。
未曾有の災害に驚嘆し、どうしていいかわからない不安の中に落とされたようでした。

日本人は優しい。
自分だけ楽しいのは心苦しい、と。
楽しみにしていたイベントは中止になり、自分だけ美味しい物を食べたり、自分だけ欲しい物を買ったりは被災者に対して優しくないのではないかと自粛するようになりました。

今回はそういうことではない。どこかでウイルスを拾ってみなさんにご迷惑をかけるようになってはいけないという思いから、そして学校すらお休みになるのだからと、やっぱり自粛の方向に動いている。残念ながら結果的には同じようなことが起こりつつあるように思います。

9年前Gokiのスタッフに言われました。
「日本の最高の縫製技術は被災地陸前高田にあります。今年の分はもうあの地で作れないけど、次期は復興していてくれなければ困るんです。そのためには今服が売れないと次期の復興が望めなくなるんです。だから売ってくださいね。次期の注文をたくさん出すためには今年の売り上げが必要なんです。」と。
Gokiも一部陸前高田に縫製を出していました。日本の名だたるファッションブランドYもGも陸前高田で縫製してもらっていたそうです。

それでも世の中は自粛ムードになり、経済状態もぐっと落ち込みました。

陸前高田の縫製業は少しずつ前を向いていますが、COVID騒動で打撃を受けることだけは無いようにと願っています。

事態は陸前高田だけではありません。
すべての経済活動が大幅に滞るようなことがあってはならないのです。
みんながちょっと顔を上げるようにして生きれば乗り切れる。
しかし、みんながほんのちょっと俯き加減に生きるようになると世界恐慌だって起こる。

こういう時こそ、気持ちを弱らせてはならない。